
延び延びになっていた串本の花火大会が、ようやく開催された。
昨年は外に椅子を持ち出し、遠くに上がる花火に、子供のような歓声を上げた母であったが、今年はその元気もなかった。
ぶらりとやってきた近所の新米教師と久しぶりに食事を共にし、その後、ウツラウツラしている母を家に残し、野郎二人で花火見物に出かけた。
いくつになっても花火は楽しいものである…。
鮮やかな色彩の乱舞と、光に遅れてやってくるズシリと響き渡る音は刹那。
刹那の連続は一瞬、永遠に思えるが、やはりそれも刹那。
あとは脳裏に焼き付いた記憶がその刹那を反芻するばかりだが、今は去年の、椅子にちょこんと座って花火を見上げていた母のうしろ姿が、永遠の刹那のように蘇る。
今週末は大洗取材。
ショートステイに預けた母が深夜、徘徊転倒しないか気にかかる…。