
思えば長い道のりだった…
我が日本は、意外と窮屈な世界である。
男子である私もそう感じるこの頃、女性は尚更かもしれない。
産休を取るのも憚れることが多いような日常では、「介護休暇」や「看取り休暇」などという言葉自体も夢のまた夢かもしれない。
私は開き直ってこの2年間を半ば介護休暇のような気持ちでボ〜と過ごしているが、雑誌の発行が後手に回っている事だけが申し訳ない次第である。
おまけに、日々の介護ストレスを見習い大工仕事に逃避していたわけだが、“逃避の果ての結実”というものを最近とみに実感している。
家屋再生という作業は実に楽しいものである。おまけに日本古来の伝統工法は実際、実に素晴らしい!
ボロ納屋は目下、何とかここまで辿り着いたが、後は壁土を塗るばかりである。
しかしこの壁土が、なかなか一筋縄ではいかない。
淡路から運んだ練土に、近郊の古座川付近で調達した藁を8センチほどにカットし、それを練り合わせ半年ほど養生する。
ああ、それならこの2月頃から準備しておけばよかったと後悔しきりながら、行き当たりばったりの自己流作業では、そんな壁土の段取りなど思いもよらなかった。
もうカウント・ダウン間際のお袋との日々はこれまたこれで楽しいものである。
今週末、大洗の取材を終えて一気に次号の制作に入る予定だが、これは、しばらくご無沙汰していたオンナとのナニに似て、意外と気恥ずかしいものである。

壁土養生プール

壁土と藁スサ

それらを足でこねる

結構しんどい作業だが、楽しい!

熟成養生6か月!

あと一息ながら…